Future Pressrelease from IWATE
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Future Pressrelease from IWATE 10年後のプレスリリースコンテスト

― 2036年の自社の姿を、プレスリリースで描け ―

Future Pressrelease from IWATE ビジョナリー賞

株式会社プラウズ

11代目農家の後継ぎ × レザーデザイナー。二足のわらじを履く起業家が
「農工施策」で変えた、岩手・奥州の10年
農と工が補完し合う通年雇用モデルが、地域と世界をつなぐ新しい農業のかたち
「地域へ戻ることが、特別ではなくなる未来へ」

「冬になると、農業以外の仕事を探すしかなかった」——かつて雪国の農業従事者に共通していたその言葉が、岩手県奥州市では過去のものになりつつある。

11代目農家の後継ぎとして地元に戻り、学生時代から続けてきたレザー製作の技術を併せ持つ菊地信吾。二足のわらじを履く一人の起業家が描いた農業の未来像は、10年で地域の働き方を書き換えた。

株式会社PLOWS(代表取締役:菊地信吾)は、水稲・長ねぎ栽培と自社レザーブランド「PLOWS」の企画・製造・販売を組み合わせた通年雇用モデルにより、農閑期も含めた一年を通じた働き方を地域に根づかせた。2026年から10年で従業員は6名から18名へ、協力事業者を含む地域雇用は35名規模に拡大。累計商品購入者・ブランド会員数は50,000人(10倍)、売上は4億円(約4.2倍)に達した。

■ 背景——雪国農業の「冬」という壁

岩手・奥州の冬は長い。降雪期間は4ヶ月に及び、農作業は止まる。収入が途切れるその期間、農業と並行して別の仕事を掛け持つことが半ば当然とされてきた。 農業を職業として選ぶ際に収入の不安定さや将来設計への不安が壁となり、「農業は継ぐもの」であっても「選ぶもの」にはなりにくかった。

2026年時点では、冬季に収入を補うための別の仕事を探すことが一般的だった。一方2036年現在では、農業とものづくりを組み合わせた働き方が奥州市に定着。 農業を軸に一年を通じて収入を得られる環境が整い、地域へ戻る人や新たに移住する人が増加している。週末にはマルシェや地域イベントも増え、移住者と地元住民が自然に関わる場面が日常になった。

■ 取り組み——農業×ものづくりの「農工施策」で通年雇用を設計する

PLOWSでは、農閑期(12月〜3月)を「空白」ではなく「ものづくりの季節」と位置づける。春から秋は水稲・長ねぎ栽培に注力し、冬季にはレザーブランド「PLOWS」の革財布・ステーショナリー・革小物などの製造・発送・商品開発を行う。 農と工が年間を通じて補完し合うことで、地域を離れずに働き続けられる環境を整えた。 当社ではこの仕組みを「農工施策」と呼ぶ。農業(農)とものづくり産業(工)を、一人の働き手が一年を通じて担う通年雇用モデル ── 岩手県奥州市発の取り組みとして、2026年に提唱した。

商品はECサイト・自社直販・百貨店・取扱店舗を通じて国内外へ販売されている。チームには、Uターンで地域へ戻った若者、農業未経験からのキャリアチェンジ組、ものづくり職人など、 異なるバックグラウンドを持つ人々が集まっている。

かつて「冬季は別の仕事を探す」ことが当たり前だった地域で、「地元で継続して働く」が新しい標準になりつつある。

■ 数字で示す変化(2026年→2036年)
※横スクロールできます
項目 2026年 2036年
累計商品購入者・ブランド会員数 5,000人 50,000人(10倍)
売上 1億円 4億円(約4.2倍)
従業員数 6名 18名(3倍)
地域雇用人数 6名 35名(約6倍)
■ 代表コメント 菊地 信吾(代表取締役)

農家の11代目として地元へ戻った時、農業だけでは年間を通して収入を安定させる難しさを感じました。一方で、学生時代から靴づくりや革製品製作に携わってきた経験がありました。 「農業とものづくりを組み合わせれば、新しい働き方がつくれるかもしれない」——そう考えたことが、いまの取り組みの始まりでした。

「農業を誇れる仕事にする」——この10年、その一点だけは揺るぎませんでした。

地域へ戻ることを「特別な覚悟」ではなく「ふつうの選択肢」にしたい。私たちは商品をつくるだけでなく、 生き方の選択肢そのものを増やしたいと考えています。同じ問いを抱える人が、私たちの歩みを一つの道しるべにしてくれたなら、これほど嬉しいことはありません。

■ 会社概要
会社名 株式会社プラウズ(PLOWS)
所在地 岩手県奥州市
代表者 菊地信吾(育てる人、つくる人)
設立 2020年3月
事業内容 農業(水稲・長ねぎ)、レザーブランド「PLOWS」の企画・製造・販売
地域資源を活用した事業展開
■ 未来へ——地域から世界へ

2026年、アメリカの2店舗からスタートしたPLOWSの海外展開は、2036年現在、アメリカ・イギリス・中国・シンガポール・台湾・フィリピン・オーストラリアの7カ国・20店舗へと広がった。

ブランドの展開も革小物にとどまらず、生活雑貨やアパレルへと拡大。衣・食・住すべてを通じて農業の価値を届けるブランドへと成長している。 岩手・奥州の農家がつくったプロダクトが、暮らしのあらゆる場面で世界の人々に届く——それがPLOWSの描く未来のかたちだ。

国内でも通年雇用モデルを参考にする地域事業者が現れ始め、「農業×ものづくり」という働き方が各地に広がりつつある。 農業を選ぶ人が一人でも増えること。それが、次の10年への願いでもある。

選出理由

農業を「継ぐ仕事」から「選ばれる仕事」へという明確なビジョンのもと、地域の雇用課題に真摯に向き合う社会インパクトを評価し選出。